会長メッセージ
会長メッセージ
東海国立大学機構名古屋大学 未来材料・システム研究所 所長・教授
「日本エネルギー学会の新たなる第一歩」
さて、本学会は2022年に創立100周年を迎えました。このように長く輝かしい歴史を有する本学会は、まさに100年間に亘り、国内外のエネルギーに関わる技術の発展や人材育成に貢献して参りました。本年は、まさしく次の100年のための新たなる第一歩であり、皆様とともに、この伝統ある本学会のさらなる発展のために努力致す所存でございます。
現在、コロナ禍がようやく終息しつつある一方で、ロシアによる特別軍事作戦が勃発してしまい、資源・エネルギー価格の高騰とともに、地球環境へも影響を及ぼす事態に相成っております。しかし、地球規模で「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにする」という厳しい目標を達成するためには、さらなる、資源の多様化、エネルギー変換効率の高効率化、再生可能エネルギーの導入、新たなリサイクル技術の開発と性能向上とともに、コスト低減や安全性を担保することによる安心性の向上等が必要不可欠であると考えます。
幅広い人脈を有している本学会の使命は、エネルギーに関連する各分野において、専門的かつ幅広く、正確な情報を収集することとその発信であります。そのためには、正会員や学生会員の皆様のみならず、維持会員や賛助会員の企業の皆様に向けて、エネルギー関連業界を取り巻く環境変化や社会からのニーズを敏感にキャッチした講演会、シンポジウム、講習会等を充実させる必要があります。また、本学会が保有しているアナログ的なデータを徐々に電子化し、会員へ提供するという会員サービスも実現したく考えております。さらに、多大な御支援を賜っている維持会員に対しましては、本学会の各種行事において、広告等を掲示することにより頂いている御支援の見える化を図りたく考えております。加えて、12の専門部会と4支部のそれぞれの活動をさらに推進して頂くために、本部との連携強化および支援内容の充実を図りたく考えており、そのためにも本学会の財務体質強化と運営効率化を推進します。例えば、本学会の様々な行事における配布物の電子化、ホームページの充実等によって可能な限りペーパレス化を図り、あるいは、電子メールを利用した添付書類発信によって郵送物を削減し、通信運搬費等の削減に努めます。その他、産官学連携や他分野の学協会との連携、次世代のエネルギー関連の研究者・技術者の持続的な育成も本学会が果たすべき重要な使命であると考えております。
以上のように、激動する社会変化に対応しながら本学会の活動を持続的に発展させるためには、会員の皆様の御協力が不可欠であります。新たな100年のための第一歩に向けて、社会に貢献できうる学会として今後も様々な施策を提案致しますので、皆様方におかれましては、引き続き、本学会への御支援、御鞭撻ならびに御尽力を賜りますようここにお願い申し上げる次第でございます。